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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】
第12章 第三話 【観玉寺の廃妃】 再会
そこがどこなのかは判らず、ただ周囲は白い霧が取り巻いているだけだ。いつも側にいる黄内官もむろんおらず、ユンは声を限りに呼んだ。
―誰か、いないのか?
しかし、霧は一向に晴れず、ますます濃く深く視界を白く染め上げていく。
焦燥に駆られていたユンが眼を瞠った。遠くから泣き声が聞こえてくる。
まるですすりなくような声は明らかに女のものだ。じっと耳を傾けていると、心が哀しみの色に染まってしまうほどに切なくて哀しげな声には確かに聞き憶えがあった。
―誰か、いないのか?
しかし、霧は一向に晴れず、ますます濃く深く視界を白く染め上げていく。
焦燥に駆られていたユンが眼を瞠った。遠くから泣き声が聞こえてくる。
まるですすりなくような声は明らかに女のものだ。じっと耳を傾けていると、心が哀しみの色に染まってしまうほどに切なくて哀しげな声には確かに聞き憶えがあった。