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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】
第12章 第三話 【観玉寺の廃妃】  再会 
 そういえば、と、ユンは今更ながらに思い出したものだ。明姫は怖ろしい夢を見ては、うなされていた。明姫の父は捕盗庁(ポトチヨン)の副官であり、かつてはユンの父王の信頼も厚かったという。それが左議政(今の領議政)の悪事を王命により内密に探っていたところ、左議政側に気づかれ消された。
 家族から使用人まで皆殺しにされ、屋敷ごと火事に見せかけてすべて灼き尽くすという残酷極まりないものだった。明姫と老齢の執事だけが生命からがら逃げ出し、一命を得たのだ。
 明姫の両親や幼い弟を殺し、すべてを奪った左議政はユンの母方の伯父である。明姫はいまだにそのときの火事の夢をしょっちゅう見るのだ。紅蓮の焔が追いかけてくるのだと、明姫はよく語っていた。
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