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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】
第13章 第三話 【観玉寺の廃妃】 涙の味
しかも、ユンは昨夜、気まぐれに訪ねてきただけで、もしかしたら次はないかもしれない。後宮には王のための美しい女たちがごまんと控えている。たくさんの美しき花に囲まれている彼が、こんな山寺までわざわざ明姫に逢いにくる必要もないのだ。そう思っただけで、絶望に気が狂いそうになってしまう自分が情けない。
いっそ知らなければ良かった。知らなければ、このまま穏やかに時が過ぎて、やがて明姫は永遠の諦めを手に入れられただろうに。あの男の優しい笑顔や深い声に触れてしまったばかりに、自分はまた見果てぬ夢を見ようとしている。
いっそ知らなければ良かった。知らなければ、このまま穏やかに時が過ぎて、やがて明姫は永遠の諦めを手に入れられただろうに。あの男の優しい笑顔や深い声に触れてしまったばかりに、自分はまた見果てぬ夢を見ようとしている。