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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】
第13章 第三話 【観玉寺の廃妃】 涙の味
両班からは不当に搾取され、隷民ともなれば、あたかも家畜のように売買され人として見ても貰えない。そんな世の中を変えることができるのは、この国では国王さまただお一人です。どうか、機会があれば、私たち民の声を国王さまにお伝えして戴きたいのです」
慈鎮はふわりとやわらかな笑みを浮かべ、一礼した。
「大根は寺の厨房の方に届けておきますね」
彼はいつもの穏やかな口調で言うと、そのままゆっくりと去っていった。
慈鎮の常に優しい笑みを絶やさない顔の下には、複雑な生い立ちがあった。慈鎮は慈慶和尚の高弟として幼い小僧たちの指導に当たっているほどの人物である。僧侶に子はいないため、次の住職候補は慈鎮に違いないと目されている。
慈鎮はふわりとやわらかな笑みを浮かべ、一礼した。
「大根は寺の厨房の方に届けておきますね」
彼はいつもの穏やかな口調で言うと、そのままゆっくりと去っていった。
慈鎮の常に優しい笑みを絶やさない顔の下には、複雑な生い立ちがあった。慈鎮は慈慶和尚の高弟として幼い小僧たちの指導に当たっているほどの人物である。僧侶に子はいないため、次の住職候補は慈鎮に違いないと目されている。