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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】
第13章 第三話 【観玉寺の廃妃】 涙の味
明姫がひっそりと微笑んだ。
「よく判らないけど、私はあなたが思ってくれているような、たいした人間じゃないわよ」
「控えめでいらっしゃるところも、お変わりになりませんのね」
ヒャンダンの涙もどうやら止まったようである。二人の会話が途絶えたのを見計らったように、控えていた男が進み出た。明姫の前に出ると、丁重に一礼する。
「大殿内官の黄維俊と申します。この度は国王殿下のご命令により、女官どのをこちらまで送り届けに参りました」
この若い内官の顔には見憶えがある。直接言葉を交わしたことは殆どないが、いつも内侍府長(ネシプサ。内侍府の長官。宦官の長)でもある黄内官の後ろに目立たないように控えていた。確か黄内官の甥だと聞いている。
「よく判らないけど、私はあなたが思ってくれているような、たいした人間じゃないわよ」
「控えめでいらっしゃるところも、お変わりになりませんのね」
ヒャンダンの涙もどうやら止まったようである。二人の会話が途絶えたのを見計らったように、控えていた男が進み出た。明姫の前に出ると、丁重に一礼する。
「大殿内官の黄維俊と申します。この度は国王殿下のご命令により、女官どのをこちらまで送り届けに参りました」
この若い内官の顔には見憶えがある。直接言葉を交わしたことは殆どないが、いつも内侍府長(ネシプサ。内侍府の長官。宦官の長)でもある黄内官の後ろに目立たないように控えていた。確か黄内官の甥だと聞いている。