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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】
第13章 第三話 【観玉寺の廃妃】 涙の味
「ヒャンダン、あなたの気持ちは嬉しいけれど、私は」
言いかけた明姫を真っすぐに見上げ、ヒャンダンは真顔で言った。
「今度ばかりは帰りません。幾ら淑媛さまが帰れと仰せになっても、私は帰るつもりはありません」
横から維俊もまた言い添えた。
「淑媛さま、これは王命によるものです。ゆえに、お断りになるならないの問題ではありません」
王命と言われてしまえば、明姫にも断ることはできない。明姫は苦笑を滲ませてヒャンダンを見た。
「ヒャンダンにはここの暮らしは向いてないと思うわ。多分、十日もしない中に都に帰りたくなるわよ?」
言いかけた明姫を真っすぐに見上げ、ヒャンダンは真顔で言った。
「今度ばかりは帰りません。幾ら淑媛さまが帰れと仰せになっても、私は帰るつもりはありません」
横から維俊もまた言い添えた。
「淑媛さま、これは王命によるものです。ゆえに、お断りになるならないの問題ではありません」
王命と言われてしまえば、明姫にも断ることはできない。明姫は苦笑を滲ませてヒャンダンを見た。
「ヒャンダンにはここの暮らしは向いてないと思うわ。多分、十日もしない中に都に帰りたくなるわよ?」