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遠い日の約束。
第9章 幸せな日々の中で
「お前の事はずっと前から見てきたんだ。不釣り合いなんかじゃない事ぐらい知ってるぞ?」
「だったら……どうして、渋い顔をしてたんですか?」
私の一言に部長は笑って「馬鹿だな」と言って私を離して顔を覗き込んで優しく微笑んだ。
「あれだけ畏まってふたり並んでるのに『つきあいだしました』だけだと誰が思う?その先があるだろうと待ってただけだろう?俺はてっきり結婚の報告かと思ったぞ?」
「あっ…」
部長の言葉に後ろにいる俊樹が声をあげた。
振り返ると、口に手を当てて、少し動揺している俊樹の姿が目に入った。
「まぁ、いい。結婚の報告は次回に取っておくよ。それより……立花、草野」
先ほどまでとは違って真面目な声に私は部長を見た。
そこには真剣な鋭い瞳をした部長が私たちを見据えていた。
瞬間に背筋が伸び姿勢を正す。
「もう、迷うな。自分が取る手を間違えるな。時には人を傷つけてでも自分の道を進め。優しいだけでは誰も幸せになれないからな。特に…立花…。もっとわがままになれ!欲しいものは欲しいと言え。でないと、またその手からすり抜けていくぞ?後手後手に回って後悔だけはするな。…お前はそれを知ってるな?」
「部長…?」
部長の言葉に困惑しているような俊樹は部長の名前を呼ぶことしかできなかった。
「今度こそ幸せになるんだろう?だったら強くなれ!」
「だったら……どうして、渋い顔をしてたんですか?」
私の一言に部長は笑って「馬鹿だな」と言って私を離して顔を覗き込んで優しく微笑んだ。
「あれだけ畏まってふたり並んでるのに『つきあいだしました』だけだと誰が思う?その先があるだろうと待ってただけだろう?俺はてっきり結婚の報告かと思ったぞ?」
「あっ…」
部長の言葉に後ろにいる俊樹が声をあげた。
振り返ると、口に手を当てて、少し動揺している俊樹の姿が目に入った。
「まぁ、いい。結婚の報告は次回に取っておくよ。それより……立花、草野」
先ほどまでとは違って真面目な声に私は部長を見た。
そこには真剣な鋭い瞳をした部長が私たちを見据えていた。
瞬間に背筋が伸び姿勢を正す。
「もう、迷うな。自分が取る手を間違えるな。時には人を傷つけてでも自分の道を進め。優しいだけでは誰も幸せになれないからな。特に…立花…。もっとわがままになれ!欲しいものは欲しいと言え。でないと、またその手からすり抜けていくぞ?後手後手に回って後悔だけはするな。…お前はそれを知ってるな?」
「部長…?」
部長の言葉に困惑しているような俊樹は部長の名前を呼ぶことしかできなかった。
「今度こそ幸せになるんだろう?だったら強くなれ!」