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遠い日の約束。
第22章 自責の念
自分に出来る償いを考えた時、両親を亡くし女でひとつで蘭子を育てる麻耶を見守って行く事だった。
麻耶をみれば自然と美弥を思い出す。
美弥を思い出せば、おのずとと自分の罪を思いだす。
罰を受けるのなら、美弥が愛した者たちのためになることをと考えた末に、美弥の友人として麻耶と蘭子を見守ることに決めた。
それは幾年も続いた。
宝賀の命が尽きるその時まで、宝賀は美弥の愛した者たちを見守り続けた。
そんな中でも、宝賀は幸せだったに違いない。

「藤世…お前に出会えて、俺は幸せだった…どうしようもない俺に嫁いでくれた事感謝している…」

「あなたが…苦しんでいたことも分かっていましたよ。それでも見守り続けた…これで顔向けができますね…向こうで…美弥さんに直接謝ることができますね…長い間…頑張りましたね」

宝賀は目を見開き、藤世が知っていたことに驚きながら、それでも傍で支えて食えたことに感謝する。
藤瀬もまた、何もかも知りながら何も言わずに宝賀に寄り添っていた。
本当の底にある思いも知りながら、藤世は何も言わずに宝賀を支えていた。

「…藤世…ありがとう…藤世と共に生きられて俺は幸せだったよ…ありあとう…」

それが宝賀の最後の言葉だった。
そして、宝賀が苦しみから開放された瞬間だった





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