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やめて、やめないで(5DOLL三部作目)
第3章 3人のパパと1人の父親
[恵美。ちょっと聞いて!私好きな人できたのよ。もうヤバいわ。どうしよう]
相変わらずの口調だが、真剣さは伝わる。

[告白したらいいじゃないの。妙子なら大丈夫だよ。絶対]
口先ではなく、妙子なら好かれるはず。少なくとも嫌われる要素はかなり少ない。

[でも彼ってバンドやってて、もてるんだけど女の子には興味ないみたいなの]

[そんなの噂でしょ。どうしたいのよ?]
私は正直どうでもよかった。音楽にすら興味ないし、何より他人の恋愛話なんか、これっぽっちも興味なかった。

[分かんない]
しおらしい態度は妙子らしくなかった。

[じゃあ他のファンと同じ、成功を見守るだけにしたらいいわ]

[それはイヤだわ]

[じゃあどうしたいの?]

[分かんないのよ…だから恵美に相談してんじゃない]

妙子は自分の感情のまま生きている…つまり自分の心にだけは素直な女の子。

今時の子と同じ、短絡過ぎる程、感情に素直。
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