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夏の華 〜 暁の星と月 Ⅱ 〜
第1章 夏の華
麻布十番の自宅に着き、暁が鍵を開けようとしていると、強い力で月城に手を引かれた。
「…私の家にいらして下さい」
眼鏡の奥の瞳は燃え盛るように強い光を秘めていた。
「…あ…」
そのまま手を引かれ、隣家の月城の家に連れて行かれる。
玄関に入るなり激しく抱きすくめられ、唇を奪われる。
「…んんっ…!…あ…ああ…」
「暁様…!」
壁に押し付けられ、更に唇を貪られる。
月城の手は夏なのにひんやりと冷たいままだが、彼の舌は火傷しそうに熱かった。
その熱い舌で、口内を激しく弄られ、暁の舌を無理やり引き出され、嫌らしい水音を立てながら、絡められる。
息もつかせぬそのくちづけに、暁は気が遠くなる。
「…ん…っ…は…あ…んん…っ…」
「暁様…!…私が…どれだけ貴方が恋しかったか、お判りですか…?」
暁を責めるようにかき口説く。
くちづけはうなじに移り、強く激しく噛まれる。
「…やっ…噛まない…で…」
ずきずきと痛むのは、月城が歯型を付けたのだろう。
…また、跡が残る…
月城の…獣のような…愛撫の跡が…
月城は時々、意地悪のように暁の肌の見えるところに愛撫の跡を刻印する。
…けれどそれは、月城の暁に対する独占欲を表しているようで、暁はどこか嬉しい…。

暁は息も絶え絶えになりながら、ぐったりと壁に身体を持たせかかる。
白い麻のシャツが一気に引き千切られる。
釦が弾け飛び、玄関の三和土に音を立てて転がる。
…まるで…月城に…襲われているみたい…。
暁の黒い瞳が潤み、薄紅色の形の良い唇が半開きになる。
「…申し訳ありません。…我慢ができません…」
切羽詰まったような男の荒い息遣いが鼓膜に吹きこまれる。
「…ここ…で…する…の…?」
抗うこともできなかった。
暁ももはや立っていられないほど下肢が甘く痺れ、身体中が疼いてきたのだ。
「…はい…お許し下さい」
慇懃無礼といった月城の動きが始まる。
月城は暁のシャツをはだけさせたまま、長く引き締まった太腿を暁の脚の間に差し入れた。
「…や…あ…っ…!」
月城の硬く長大な牡の形が布越しに顕著に伝わる。
「…あつい…君の…すごく…かたい…」
「暁様も…もう硬くされていますね…」
「…やだ…言わないで…」
泣きじゃくりそうになる暁を、一度優しく抱きしめる。
「…可愛い…暁…」
ふいに呼び捨てで呼ばれ、暁は頬を染める。
「…もっと呼んで…森…」





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