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夏の華 〜 暁の星と月 Ⅱ 〜
第1章 夏の華
…暁のことを愛している。
最初は、ただその類稀なる美しい容姿に惹かれ、健気な性格に惹かれた。
この美しいが、いつも儚気で寂し気に微笑む青年に胸を打たれ、放っておけなくなった。
気がつくといつも暁のことを考えるようになっていた。

身体を重ねるようになって、自分の暁に対する執着が日々増すようになったことに気づいた。
月城は、元々性的欲求はさほど強い方ではない。
なければないで全く構わなかった。
梨央という絶対的な聖域に存在する主人を長年愛していたことで、性に対する欲求は希薄になっていたのだ。

しかし、暁と愛し合うようになり、その魔性とも言える身体を知り、底無し沼のような自分の劣情と欲望を己で悟り、空恐ろしくなったのも事実だ。

…暁の身体は麻薬のようなものだ。
大紋が妻を捨ててでも、暁を奪い去ろうとしたその心情が今、初めて分かった。
…大紋も自分も暁の恋の奴隷のようなものだ。
暁の身体に身も心も絡めとられ、雁字搦めになっている。
しかし、それは少しも不幸ではない。
…むしろ、幸せだ。
このまま永遠に暁に囚われていたい。
…いや、最近は…
暁と愛し合うたびに思う。
…暁を我がものにしたい。
…暁を滅茶苦茶にしたい。
この美しく儚く淫靡な青年の身体を犯し尽くし、全てを壊したい…!

暁を愛おしみ大切にしたいという思いと同じくらいに、影なる捻じ曲がった欲望が月城の心を支配する。
自分の鬼畜な心が厭わしいが、逃れられない。

「暁…愛している…!」
月城は暁の耳元に囁きながら逞しい腰を打ちつける。
暁は男に下肢を蹂躙され、壁に押し付けられ、人形のように身体を委ねる。
美しい眉を寄せながら、月城の無体とも言える牡の暴走に耐える。
「…ああ…んっ…は…あ…ん」
幼気なその姿と声に官能が刺激され、暁の中の牡が漲る。
「…や…あ…も…おおきく…しないで…」
…壊れそう…と吐息交じりに訴えられ、律動を激しくする。
「…暁様…貴方を…壊すかも…しれません…」
月城の苦し気な呻きに暁は、優しい微笑を浮かべた。
「…こわし…て…森…」
「暁様…」
「…こわして…めちゃくちゃにして…」
月城は暁を羽交い締めにすると、砕けそうに暁を抱きしめ、激しい抽送を繰り返す。
暁は最早力が入らず、なすがままだ。
男は熱い牡液を体内深くに大量に叩きつけ、暁と共に絶頂への階を駆け上り、同時に果てたのだった。
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