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夏の華 〜 暁の星と月 Ⅱ 〜
第8章 真夜中のお茶をご一緒に
司が入浴を済ませ、寝室に入ると泉が就寝の準備をしているところだった。
完璧なベッドメイクを済ませ、枕元のランプの灯りを調整する。
寝室にはアロマキャンドルも灯されていた。
彼は実に気持ちの行き届いた執事なのだった。

司の気配に振り向き、優しく微笑む。
「…お疲れではありませんか?昼間に出掛けましたから…」
ランプの灯りが男の精悍な横顔を、美しい陰影と共に照らすのを司はうっとりと見つめる。
「…う、ううん。大丈夫…」
ややぎこちなく笑う司の元に、泉がゆっくりと近づく。
そして司の額に額を押し当てると、ほっとしたように呟いた。
「…良かった…。お熱は上がっていませんね」
優しく微笑む泉と眼が合う。
泉がそっと司の髪を撫で、そのまま頬のラインを撫で下ろし、形の良い顎を持ち上げる。
「…司様…」
優しく食むように司の唇を奪う。
「…んっ…」
泉のキスは巧みだった。
大胆に司の唇を奪いつつも、快楽の在り処を探し当て、それに火を灯してくれるような情熱に満ちたものだった。
「…ああ…ん…っ…」
キスだけで身体の芯が温められた蜜蝋のように蕩けてしまう自分を感じる。
「…司様…可愛い…」
司の桜貝のように薄桃色に染まった耳朶を食み、そのままうなじに唇を這わせる。
熱い男の唇と舌が司のきめ細かな肌を愛撫し始める。
…バスローブの襟元に手が掛けられた。
明らかに性的なニュアンスのくちづけになった途端、司はびくりと身体を震わせた。
「…ま、待って…泉…」
急に硬くなった表情に、泉は手を止める。
「…お嫌ですか…?」
「…ち、違うんだ…。嫌じゃない…嫌じゃないんだけど…」
司は泉の身体を押しやり、彼から背を向けた。

真紀との情事が脳裏によぎる。
…あんなに僕の身体を愛した真紀ですら、僕を捨てた。
今はこんなにも執着してくれる泉だが、そのうちに司に飽き、真紀のように自分をから立ち去る日が来るのではないだろうか…?
そんな疑念が頭に浮かび、司を受け入れたくても受け入れられない気持ちが身体を支配してしまうのだ。




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