この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
夏の華 〜 暁の星と月 Ⅱ 〜
第10章 初月の夜も貴方と
昨夜は大晦日だった。
月城が全ての業務を終え帰宅したのは12時を過ぎていた。
「遅くなりますから先にお寝みになっていてください」
そう言われたが、暁はもちろん起きていた。
月城が帰宅すると、子どものように走り出し、玄関で抱きついた。
「お帰りなさい。月城…!」
月城は小さく笑い、暁を優しく抱きしめてくれた。
「起きていらしたのですか?」
「うん。…だって、明日はずっと二人でいられる。…もったいなくて寝られない…」
月城は今年の元日に初めて休みが取れた。
副執事の早月が大分経験を積んだので、元日の北白川家の主業務を任せることになったのだ。
白い頬を綺麗な薔薇色に染める暁を愛しげに抱き寄せながら微笑む。
「…お身体が冷たい。…こんな薄着で…。風邪を引かれたらどうなさいますか?」
少し冷えた頬をやはりひんやりした月城の綺麗な手が覆う。
「…そうしたら、君に看病してもらえる…」
潤んだ瞳で男を見上げる暁に月城は熱の込もった眼差しで見つめ返した。
「もちろんです。…でも、今は貴方を温めなくては…」
冷えた頬を温めるように月城の形の良い唇が寄せられる。
「…温めて…君で…」
暁は唇をねだる。
甘く、優しいくちづけが次第に濃密なものになるのに、そう時間は要しなかった…。
月城が全ての業務を終え帰宅したのは12時を過ぎていた。
「遅くなりますから先にお寝みになっていてください」
そう言われたが、暁はもちろん起きていた。
月城が帰宅すると、子どものように走り出し、玄関で抱きついた。
「お帰りなさい。月城…!」
月城は小さく笑い、暁を優しく抱きしめてくれた。
「起きていらしたのですか?」
「うん。…だって、明日はずっと二人でいられる。…もったいなくて寝られない…」
月城は今年の元日に初めて休みが取れた。
副執事の早月が大分経験を積んだので、元日の北白川家の主業務を任せることになったのだ。
白い頬を綺麗な薔薇色に染める暁を愛しげに抱き寄せながら微笑む。
「…お身体が冷たい。…こんな薄着で…。風邪を引かれたらどうなさいますか?」
少し冷えた頬をやはりひんやりした月城の綺麗な手が覆う。
「…そうしたら、君に看病してもらえる…」
潤んだ瞳で男を見上げる暁に月城は熱の込もった眼差しで見つめ返した。
「もちろんです。…でも、今は貴方を温めなくては…」
冷えた頬を温めるように月城の形の良い唇が寄せられる。
「…温めて…君で…」
暁は唇をねだる。
甘く、優しいくちづけが次第に濃密なものになるのに、そう時間は要しなかった…。