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夏の華 〜 暁の星と月 Ⅱ 〜
第13章 永遠の最果て
月もない暗い夜だ。
灯りひとつ灯らない家の前に月城は立つ。
辺りを見回しながら素早くその小さな古びた家の門を潜った。
呼び鈴は押さずに、扉を小さく叩く。
…ほどなくして人の気配が現れる。
「…誰だ?」
押し殺した男の声が聞こえる。
「私だ。月城だ」
小さく告げると、扉が細く開く。
暗闇の中、鋭い眼光だけが光る。

「…誰もいなかったか?」
男は警戒心に満ちた口調で尋ねる。
「大丈夫だ。確認した」
月城は頷くと、素早く中にその身を滑り込ませた。
扉は再び硬く閉ざされ、その家は闇夜に溶けて行った。
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