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夏の華 〜 暁の星と月 Ⅱ 〜
第14章 Coda 〜last waltz〜
…暖炉の薪がぱちぱちと鮮やかな橙色に爆ぜるのを司は男の腕の中でうっとりと眺めていた。
床には二人分の脱ぎ散らかした衣類が乱雑に散乱している…。
…いつも僕が服を脱ぎ散らかすと叱る癖に…。
可笑しくなって小さく笑う。
…あの激しいくちづけのあと、司は泉に抱え上げられるようにして階下の泉の部屋に連れ込まれた。
他の使用人たちと鉢合わせしなかったのは、奇跡だった。
扉を閉めて鍵を掛けるや否や、泉は司を寝台に押し倒した。
キスの雨を降らせながら、銀狐のコートを脱がせ荒々しく衣服を剥ぎ取ってゆく。
司を脱がせながら、泉も素早く裸になった。
…目の前に現れた、雄々しくも噎せ返るような成熟した男の裸体に、司は一瞬恐れ慄いた。
寝台の上で、後退りする司をしなやかな腕が捉える。
背中から抱きしめ、鼓膜に熱い息吹と共に吹き込む。
「…優しくする。…司を傷つけたりしない。…だから、お前を俺にくれ。…もう一度…俺を受け入れてくれ…」
司は身を捩り、朱色に染まった瞼を上げ、艶めいた微笑で答える。
「…そんなこと言わなくても…もうずっと、僕は泉のものだよ…」
「司…!」
計算なしの媚態に堪らずに濃厚なくちづけを繰り返しながら、司の上に覆い被さる。
男のずっしりとした硬質な重みが司に甘いため息を吐かせる。
下肢を押し開かれ、熱く引き締まった男の下半身とそれより更に高い熱量の硬く兆した牡を押し当てられる。
司の細っそりとした未だ未成熟な花茎に猛り狂った長大な牡が擦り付けられる。
痺れるような直接的な快感に、司は唇を震わせた。
「…ああ…泉…」
外に降り積もる白雪の如く儚げに華奢な身体を案じる。
「…重いか?司…」
司は目を閉じたまま首を振る。
「…気持ち…いい…」
素直な司を愛おしく思いながら、少し意地悪く尋ねる。
「欲しかった?俺が…」
拗ねるかと思った司は、薄桃色に染まった瞼を開くと、潤んだ瞳で泉を見つめ返した。
「…欲しかった…ずっと…。寂しかった…」
泉は息を呑む。
熱い感情の塊が胸奥からせり上がり、苦しくて堪らない。
「…司…!ごめん…!」
謝罪の言葉に司はしなやかに白い脚を絡めて応える。
「…して…早く…たくさんして…泉で僕を一杯にして…」
「司…!」
無垢で淫らな恋人の誘惑に、泉は抗う術もなく手を取り合いながら甘美な快楽の沼に堕ちていったのだった。
床には二人分の脱ぎ散らかした衣類が乱雑に散乱している…。
…いつも僕が服を脱ぎ散らかすと叱る癖に…。
可笑しくなって小さく笑う。
…あの激しいくちづけのあと、司は泉に抱え上げられるようにして階下の泉の部屋に連れ込まれた。
他の使用人たちと鉢合わせしなかったのは、奇跡だった。
扉を閉めて鍵を掛けるや否や、泉は司を寝台に押し倒した。
キスの雨を降らせながら、銀狐のコートを脱がせ荒々しく衣服を剥ぎ取ってゆく。
司を脱がせながら、泉も素早く裸になった。
…目の前に現れた、雄々しくも噎せ返るような成熟した男の裸体に、司は一瞬恐れ慄いた。
寝台の上で、後退りする司をしなやかな腕が捉える。
背中から抱きしめ、鼓膜に熱い息吹と共に吹き込む。
「…優しくする。…司を傷つけたりしない。…だから、お前を俺にくれ。…もう一度…俺を受け入れてくれ…」
司は身を捩り、朱色に染まった瞼を上げ、艶めいた微笑で答える。
「…そんなこと言わなくても…もうずっと、僕は泉のものだよ…」
「司…!」
計算なしの媚態に堪らずに濃厚なくちづけを繰り返しながら、司の上に覆い被さる。
男のずっしりとした硬質な重みが司に甘いため息を吐かせる。
下肢を押し開かれ、熱く引き締まった男の下半身とそれより更に高い熱量の硬く兆した牡を押し当てられる。
司の細っそりとした未だ未成熟な花茎に猛り狂った長大な牡が擦り付けられる。
痺れるような直接的な快感に、司は唇を震わせた。
「…ああ…泉…」
外に降り積もる白雪の如く儚げに華奢な身体を案じる。
「…重いか?司…」
司は目を閉じたまま首を振る。
「…気持ち…いい…」
素直な司を愛おしく思いながら、少し意地悪く尋ねる。
「欲しかった?俺が…」
拗ねるかと思った司は、薄桃色に染まった瞼を開くと、潤んだ瞳で泉を見つめ返した。
「…欲しかった…ずっと…。寂しかった…」
泉は息を呑む。
熱い感情の塊が胸奥からせり上がり、苦しくて堪らない。
「…司…!ごめん…!」
謝罪の言葉に司はしなやかに白い脚を絡めて応える。
「…して…早く…たくさんして…泉で僕を一杯にして…」
「司…!」
無垢で淫らな恋人の誘惑に、泉は抗う術もなく手を取り合いながら甘美な快楽の沼に堕ちていったのだった。