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隠密の華
第10章 九
「設樂様、大丈夫でしょうか……?」
「大丈夫だ。白夜もああ見えて、正々堂々とした男。罠を掛ける真似はしない」
心配する私へ設樂様が微笑むと、私もホッと安堵する。
「都と桐はここで待っていてくれ。将軍にも話をしてくる」
「分かりました、設樂様」
そしてそのまま城の中へ入っていく設樂様の背中を、青空の下、桐と二人で見送った。
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