この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
隠密の華
第10章 九
これから桐の事は、私が守らなければ――
「……夫婦になるって事がどういう事なのか、分かってんのかよ」
「えっ?何だ?」
「都、お前、跡継ぎを産まないといけないんだぞ!」
「跡継ぎ……?」
改めて桐を守っていくと心で誓っていたが。唐突に桐から言われると、私は呆けた。
「跡継ぎ……というのは、要するに、子を産むという事か?」
「そうだ!お前は白夜の子を産むんだ」
「白夜の子を……」
覚悟していたがこう現実を突き付けられると、すぐに受け入れられない。心の整理もまだだ。……私が白夜の子を産む。私は白夜と子を作る。それは全然、現実だと思えない。