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隠密の華
第10章 九
「これから毎日お前を抱くと誓おう」
「別に、誓わなくても……」
寝台に寝た私の上へ覆い被さった白夜から微笑まれ、ごくっと唾を飲み込んだ。白夜を愛す事はないと思っていたが……これから少しずつ、白夜を愛せる様に努力しないといけない。隠密としてではなく、胡蝶として。私は今日ここで、都としての人生を捨てる。
「着物、脱がすぞ」
「えっ!?待って!」
「だからもうその言葉は聞き飽きた」
「きゃあ!」
鼓動を速めたまま、更に手際良く身に付けている衣類を全て剥ぎ取られると、私は慌てて胸と下半身を両手で隠した。流石、経験豊富なだけあり、女物の衣類を脱がせる事に手慣れている。
「……見ないで下さい……」
「隠しても無駄なのに、何故隠すんだ?」
「……胸が小さくて……」
初めての私にはあまりに耐えきれない事で、白夜の顔が見れずに顔を横へ背けた。