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隠密の華
第12章 十一
「ごめん……桐……」
私には、そう謝る事しか出来なかった。
「……仕方ねーよ。お前は白夜の妻だからな。心は……俺のだけど」
今度は額へ口付けられ、胸がきゅうっと締め付けられる。
「都……辛い時は俺を頼れ。俺に甘えろ。俺はずっと、お前の味方だから……」
「ありがとう、桐」
……いつの間にか、こんなに桐の事が大事になっていた。
白夜の妻でありながら、桐の側にいたい。
桐に、触れていたい。ずっと……。
そのまま互いが引き寄せ合うように口付けると、私達は濃厚な口付けに夢中になっていた。