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隠密の華
第12章 十一

「っ……桐……駄目だと……んっ」
唇が離れた隙に話そうとするも、すぐにまた塞がれて上下唇を吸い上げられる。
熱い唇に顔や体を火照らされて、蕩けそうだ。
ズルい、桐は。もう離れたくなくなってしまう。
……一生桐とこうしていたい。
「……都、本当に城へ戻るのか?」
目を閉じたまま桐の低い声が鼓膜に入ると、私は目を開けておずおず答える。
「ああ……城へ、帰って、式典にも出ないといけない……」
「白夜から抱かれんのか?」
「それは……」
桐からの問いにどきりとして、視線を桐の顔へ向ける。
真剣な顔をした桐は、無言で私の答えを待つ。

