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隠密の華
第16章 十五
「……良い度胸をしている。それをわざわざ伝えに来たのなら、只ではおかないぞ?」
「ちょ、ちょっと待って!白夜!」
鬼の様な禍々しい妖気を纏いながら、こちらへ近寄ってくる白夜を必死で宥める。
……こんなことを言いたかったんじゃない。
阿保か、私は。
「違うんです。要するに、白夜のことも忘れられなかったんです!」
「も……?」
「この半年間、祖国の村で私は一人暮らしていました……」
「桐と一緒ではなかったのか?」
「はい……」
私の言葉を聞き、一瞬白夜が驚くように目を見開く。