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隠密の華
第5章 四
これで二人共、城へ潜り込める……。
「おい!本当にどういうつもりだ!それに胡蝶って……!」
「怖いわ、白夜……野蛮だわ……」
「っ!都、てめぇ……」
桐が不服そうに怒鳴っても、私は白夜の着物の胸部をぎゅっと掴み、白夜の顔を見上げた。隠密をしていて色気を使うことはよくある。だから、こうすることも慣れている。
「胡蝶……大丈夫だ。さあ、城へ行こう」
色仕掛けのかいあってか、白夜がうっとりと私を見ると、乱れた私の着物を整える。そして、部屋の入口にいる兵士へ真剣に言い放った。
「おい、コイツを捕らえて城の牢へ連れていけ――」