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隠密の華
第6章 五
「……いたのね?」
「違う。違うんだ。ヤケになって少し味見はしたが、それでも俺は胡蝶だけを……」
見苦しい言い訳だ。……慌てながら話す白夜に、私は白い目を向ける。
「……そういえば、紫水から胡蝶の太腿に隠密の痣があると聞いたが……どういうことだ?」
「それは……私、隠密ごっこをしていたの!」
「隠密ごっこ……?」
そして、ふと思い出したかの様に白夜から尋ねられると、内心焦りながら答えた。……まずい、怪しむ様に私を見ている。流石に騙せないか。