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隠密の華
第2章 一

しかし――これはまたとない好機かもしれない。料理をするのなら、きっと両手の縄を解かれる筈……。

「分かった……調理場へ案内しろ」

「おお、こっちだ」

入口から手招きされ、私は入口へ向かって歩き出す。そして、そのまま歩き出す男の後を追った。
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