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隠密の華
第7章 六
「胡蝶、すまない……街中探したが、あの男、まだ見つからないんだ……」
城の白夜の部屋へ戻ると、暫くして戻ってきた白夜から申し訳なさそうに謝られた。やはりこの男、余程胡蝶を想っているんだろう。胡蝶の為に桐を捕まえたかったという気持ちが、ひしひしと伝わってくる。
「大丈夫です、白夜。もう白夜もいるし、安全だもの。探さなくて良いから……」
「怒ってるか?」
「えっ……」
白夜の前に立っていたものの。唐突に白夜から抱き締められると、私は顔を青ざめるしかない。……しまった!油断しないと誓ったのに、もうこんな状況だ!
「お、怒ってないから、離れてくれる?」
「胡蝶……じゃあ、さっきの続きを……」
「話を聞いて!」
ぎゅうっと強く抱き締められたまま、顔を頭にすりすりとすり寄せられると、私は慌てた。