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隠密の華
第7章 六
……柔らかい。酒臭くもない。父上のたらことは比べ物にならない。これが口付け……。
「白夜ともしたのか?」
「……いや。されそうになったが、してない」
「じゃあ、都に口付けたのは俺が初めてか?」
「そうだけど……」
唇を離した桐の問いに、呆けたまま答える。すると一瞬、桐がにやっと口角を上げたのが分かった。
「そうか」
「桐、どうした……?」
「良いか?これからも、都の初めては俺が全部貰う!」
……桐が何を考えているのか、全く理解出来ない。どうしよう。ついていけない。