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隠密の華
第7章 六
えっ――
「な、何だ?また」
「考えたろ。今、設樂様のこと」
「考えてないけど……」
軽く触れ合っただけだが、離されて桐からじっと睨み付けられながら、胸が高鳴る。そして、また桐の顔が顔へ近付いてくると。
「また考えたな?」
「だから考えてない!」
「嘘つけ」
再び……口付けられる。しかし今度は軽く触れ合うだけではなく、深く唇を塞がれ、何度も上下唇を食まれる。初めての事に、私は唇を食まれながら呆然とした。
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