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隠密の華
第7章 六
「彼は……火凰国にいた頃の知り合いなんです」
「襲われたというのは嘘か?」
「はい……喧嘩をして、あんな嘘をついてしまいました」
全てを見透かすような目だ。恐ろしく、逆らいたくないと思わせる。
「胡蝶も人を憎んだりするのだな。……胡蝶、こちらへ」
「はい……」
言われた通り白夜の方へ歩いていくと、白夜の前に立った瞬間、両腕の中に包まれる。
「もう勝手に城を出て行くな。今度俺の前からいなくなることがあったら、お前に手枷をして監禁する」
「……すみません」
低い声でそのまま言われると、謝りながらゾッとした。