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ジャンクフードでできている
第6章 わらびー
急激に、文を作るという作業が困難となった僕は、教会の屋根裏にて、ひとりSMごっこに興じていた。

そこで、毎晩、カミサマに「一緒にアナル遊びが出来る痴女を下さい」と祈っていたのだが、願いはかなわなかった。

僕は、常識人であるので、僕の願いがただのワガママであって、カミサマの優先順序からすれば後回しにされることは、理解していた。

それでも、きっと、僕の同類は世の中にいて、より変態な行為に興奮するような面倒な性癖なのに、仲間に恵まれない人達はいるはずだと、ブルマをかぶってみた。

もし、世界が平和になって、みんなの願いがかなったら、僕や、僕と似たような誰かのワガママな願いがかなう順番が来るのだろうか。

窓を開けてみる。
6月の夜の風は、心地よさと不快さの狭間を行き来して、月光が街角を射す。

たとえば、それはカミサマの啓示であって、今から光の射す家のインターホンを鳴らせば、アナルプラグを突っ込んだ雌奴隷が、四つん這いでヨダレを垂らしながら尻尾を振って出迎えてくれたりするのだろうか。

いや、そんなことはない。

だって、僕は常識人だから。

それはおそらく勘違いなのだ。

僕が欲望にかられて、ブラジャーやショーツを身に付けて、ルージュを引いてみても、こんな化け物にカミサマは振り向いてくれない。

しばらくして、僕の中の越えられない壁の向こうには、もうひとりの僕が住むようになる。

もうひとりの僕は、女性であって、身体を快感で満たして、そして心の平穏を願っている。

僕は僕であって、彼女である僕も僕に違いない。

そんな可能性を打ち消せないまま、射精に至らないままオナニーを続ける。

ペニスでアナルを犯されながら、同時にペニスを膣に挿入して犯したい。

すべての穴を犯して、犯されたい。

身体を満たして、満たされて、ヒトツになりたい。

心が満たされたら。

僕の悩みなんて、ナルシスの苦悩に比べれば、もっと下劣で、低俗に過ぎない。

些細な欲望が満たされない些細な悩み。

だから、カミサマ、どうか救ってください。

カミサマ、世界が平和になってからでもいいから。

いつか、僕と、もうひとりの僕が出会って、ヒトツになれますように。

そして、今夜もコップ一杯の水を飲む。



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