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ジャンクフードでできている
第9章 ズッキーニ
台風が来ている
あの眼の中には少年がいて
一人とぼとぼ歩いている
ひとりぼっちがとても不憫に思えて
私は声をかけようかと考える
しかし、ある夏の日に
下校する僕のランドセルに
赤トンボがとまって
立ち止まったとき
それはそれは高いところまで
雲があって
その鮮やかすぎる立体感は
非現実的なアニメーションのヒトコマのようで
しばらくすると目に焼き付いてしまった
その少年は
一人で歩いていく
意図せず
誰も寄せ付けない
バリアのような嵐をまとって
あの頃の僕なら
少年と仲良くなれただろうか
どこへ行くのか
どこへ行くのか
私は今もひとりぼっち
空を見上げれば
雲が飛んでいく
遠い空の下
少年は歩いている
「台風と」
あの眼の中には少年がいて
一人とぼとぼ歩いている
ひとりぼっちがとても不憫に思えて
私は声をかけようかと考える
しかし、ある夏の日に
下校する僕のランドセルに
赤トンボがとまって
立ち止まったとき
それはそれは高いところまで
雲があって
その鮮やかすぎる立体感は
非現実的なアニメーションのヒトコマのようで
しばらくすると目に焼き付いてしまった
その少年は
一人で歩いていく
意図せず
誰も寄せ付けない
バリアのような嵐をまとって
あの頃の僕なら
少年と仲良くなれただろうか
どこへ行くのか
どこへ行くのか
私は今もひとりぼっち
空を見上げれば
雲が飛んでいく
遠い空の下
少年は歩いている
「台風と」