この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
溺れる金魚
第15章 彼の怒り
カラカラとガラス窓を開ける。
「……昨夜俺は、君に一体何をしてしまったんだろうか」
その言葉に顔を向けるでもなく一心に水やりをしている彼女。
口も聞きたくないほど怒らせたのか?
「なぁ?聞いてるのか?」
語気を強める。
びくんと彼女の体が跳ねた。
「……あ……ご、ごめんなさい。考え事していて」
「そうか。昨日の事なんだけど、俺……」
「その事ならもう良いんです。何でもないです。大したことではないので……もう、大丈夫ですから……」
そう言うと手に持っていたジョーロをスツールの上に置いて、目も合わせずに彼の横を素通りして室内へと入ろうとした。
それを小さなため息と共に目で追う。
何でもない、と言う時に限って何でもあるのが彼女の常だが……。
大丈夫が大丈夫ではない事も……。
「……昨夜俺は、君に一体何をしてしまったんだろうか」
その言葉に顔を向けるでもなく一心に水やりをしている彼女。
口も聞きたくないほど怒らせたのか?
「なぁ?聞いてるのか?」
語気を強める。
びくんと彼女の体が跳ねた。
「……あ……ご、ごめんなさい。考え事していて」
「そうか。昨日の事なんだけど、俺……」
「その事ならもう良いんです。何でもないです。大したことではないので……もう、大丈夫ですから……」
そう言うと手に持っていたジョーロをスツールの上に置いて、目も合わせずに彼の横を素通りして室内へと入ろうとした。
それを小さなため息と共に目で追う。
何でもない、と言う時に限って何でもあるのが彼女の常だが……。
大丈夫が大丈夫ではない事も……。