この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
溺れる金魚
第11章 交わり
『出張から戻るのは、来週の金曜だ。それまで実家にでも行ってゆっくりしてきたら良い』
その言葉を残して彼は札幌へと行ってしまった。
実家にでも……。
今までそんな事、言ったこと無かったのに。
彼女は見送りながらもうまく笑えなかった。
ーー男は浮気すると後ろめたさから優しくなるーー
何かで読んだことがあった。
やはり、今回のこの出張は……。
考えたくはなかったが、多分そうなのだろうと紗良は思った。
実家に何て帰る気にもなれない。
ただ、彼の居ない家は自分の心のように空虚だった。
丁度、沙保里の夫が泊まり掛けの研修で不在となり、彼女が二日ほど泊まりに来た。
その日だけは幾分華やいだが、帰ってしまえばまた空虚。
その言葉を残して彼は札幌へと行ってしまった。
実家にでも……。
今までそんな事、言ったこと無かったのに。
彼女は見送りながらもうまく笑えなかった。
ーー男は浮気すると後ろめたさから優しくなるーー
何かで読んだことがあった。
やはり、今回のこの出張は……。
考えたくはなかったが、多分そうなのだろうと紗良は思った。
実家に何て帰る気にもなれない。
ただ、彼の居ない家は自分の心のように空虚だった。
丁度、沙保里の夫が泊まり掛けの研修で不在となり、彼女が二日ほど泊まりに来た。
その日だけは幾分華やいだが、帰ってしまえばまた空虚。