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第7章 曙

｢でも、タイトルの意味する所が知りたいんです。｣

｢だめよ。解説付きの芸術なんてないわ。
正解だってない。
見た人が好きなように感じて、面白いかどうかでいいのよ。｣

｢でも、ワタシは、沙絵さんが子供たちに名付けた意味が知りたいんです。｣

｢私は一気に子沢山の肝っ玉母ちゃんに成り下がりそうね。｣

｢そんなつもりは…｣

｢仕方ないわね。ヒントだけよ。

タイトルの前後どちらかに同じ言葉が入るわ。｣

｢えっ｣

｢これ以上は言わない。悶々としながらシャワー浴びるといいわ。｣

バスルームのドアを開け、押し込むようにワタシを入れて、ﾊﾞﾀﾝとまた乱暴にドアを閉められてしまった。

同じ言葉…同じ言葉…

沙絵さんの言う通り、悶々としながらシャワーを浴びた。

出て、もう一度写真を見ようとアトリエに向かった。

廊下を歩いている間に、

｢支度できたわよ。｣

沙絵さんに呼ばれてしまった。

このまま食事も悶々としたままなんだろうか…

後ろ髪を引かれる思いでアトリエを振り返るけど、

沙絵さんが付けてもいないリードを引くフリをするので、仕方なくついていった。


｢さあ、今日も沢山食べるわよ。｣

掛け声はちょっと肝っ玉母ちゃんかな…と、こっそり思った。