パソコンから！ケータイから！スマホから！無料でどこでも気軽に楽しめる官能小説サイト

第8章 別れ

先生は絵だけ残して道具を片付けたテーブルに椅子を置いた。

｢話しますね。沙絵のこと。

アメリカに行きました。写真の勉強の為に…

留学みたいなものです。｣

｢一人で？いつまでですか？｣

｢わからない。一応向こうの高校に入るけど、始まるのは９月からだから、まずは向こうの生活に慣れるようにするらしい。｣

｢知り合いとかいるんですか？｣

｢いや、学校の推薦でステイ先は決まっているけど、その先は本人が考えるらしい。｣

｢一人で寂しくないのかしら…｣

｢やりたいことが沢山あるらしいから、ワクワクするとか騒いでましたよ。

成功してナイスガイを捕まえて、アメリカ人になるとか…

一生戻らないくらい息巻いて行ってしまいました。｣

｢一生?
そんな…
金曜日が最後だったというの…

そんな…

抱き締めてあげれば良かった。もっと沢山話したかった。もっと…もっと…｣


｢沙絵は十分満足して出かけていったと思うよ。
前から決めていたことだったんだ。

アメリカで自由に写真を撮りたいってね。
18になったら、アメリカに行くって…

沙絵は最後に貴女に会いたい、貴女と過ごしたいと、あの絵を飾っていいと言ったんだ。｣