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**情画**
第2章 夜光虫

「ちゃんと待っていたかな?」

布団に入っていたワタシは上体を起こした。

「パジャマを脱いで裸になりなさい。」

普段は布団の中で主人に脱がされる。
酷い時は下半身だけ脱がされ、事が終わることもあるのに、今日は何だか珍しいことばかりだった。

ワタシは布団から出た。
主人への応対は八年前に先生に教わった通りにしている。

抗わずに従う。

それ以前に、あのあと妊娠がわかり、母体を労る主人が乱暴なことをしなくなったし、恐怖にうちひしがれることもなかったのだが…

二人目を望み、頻繁に関係があったころも普通に抱かれた。
でもそれが元来の利己的なものから変わることはなかった。

ただ、ここ数年は仕事の忙しさと年のせいか、めっきり回数が減った。

実に悟られずに寝室を共にする難しさもそれを助長させた。

自分の年齢を考えると二人目を望むことも諦めていた。

そうなると受け皿でしかない行為からは疎遠になり、主人から求められることがないように努めていた。

「早く脱ぎなさい。」

もう一度主人に命令されハッとした。
いけない、考え事をしてしまった。


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