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終止符.
第16章 愛しい人
「あぁ、疲れちゃった…」

「奈緒さん…、ほら頑張って。」


石畳の坂を、純に手を引かれながら奈緒が歩く。

純は礼服を着こなし、奈緒は胸元にシャーリングが施された膝下丈の紺のパーティドレスを着ていた。


「あの事故渋滞のせいで…」

「奈緒さんがもっと早く準備しないから…」

「あら、私は悪くないわよ…」


ブツブツ言っているうちに教会が近づいて来た。


「あ…、沙耶きっと怒ってるわ、式が終わってる…」

「とにかく行きましょう。」


二人は教会の前に立つ沙耶と森下を見つけ、次々とこちらを振り返るたくさんの視線を浴びながら前に進んだ。


「お、おい、あれ…」


誰がが声を上げた。


「えっ?」

「立花さん?」

「まじで? 久しぶりだなぁ。」

「なんか、雰囲気変わった…」

「で…、あの男は誰だよ。」


どよめきが起こる。


「アレはね、奈緒の彼氏。」


千秋が言った。


「えーっ!」

「嘘だろ~。」

「あ、コケた。」


純に支えられて奈緒は照れて笑い、また歩き出した。


「彼女笑ってる…」

「あぁ、俺も見た。」

「私も見たわ…」

「なんであんな若僧が彼氏なんだよ…、立花さんは、10才以上年上にしか興味ないはずだぞ…」


多田が力を込めて言った。


「ぷっ、あははは…」

「お前それ、嘘も方便ってやつだろ、あはは…」

「えーっ!」


笑い声が巻き起こった。


「あははは…来た来た、奈緒、遅いよぉ、ブーケトス終わっちゃうよ。」


沙耶が手招きをした。



みんなから少し離れた所で、篠崎が愛子の耳元に何かを囁いた。

愛子はゆっくりと二度頷いて、篠崎の肩に頭を軽く乗せ、ほっとしたように微笑んだ。

篠崎は愛子の肩に手を回し、優しく腕を擦って頭を撫でた。



「遅れてごめんなさい。沙耶、おめでとう。
あぁ…、とっても綺麗。よかったね…、よかったね…」


奈緒は花嫁姿の沙耶を見つめ、これまでの沙耶の友情を想ってじんわりと胸が熱くなった。


「やだなぁ、泣かないでよぅ…」


沙耶も泣きそうになった。


「さぁ、気を取り直して…、はい、女性の皆さん前に出て下さい。…ほら奈緒も…」


ぞろぞろと人混みが移動する。


「相変わらず幹事みたいだな…」

「かかあ天下だな。」

「あはは…」

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