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住み込みメイドのエッチなお仕事。
第10章 執着
涼子がこのお屋敷のメイドになって半年が過ぎた。お仕事もだいぶ慣れた。

「今日はお客様にご奉仕いただきます」
「はい」
「夕食後にお見えになりますので、早めに夕食をとりシャワーを浴びて用意してください」
「わかりました」

櫻井は事務的にそう告げると、では と言って執務室へ戻って行った。廊下を曲がり櫻井の姿が見えなくなって、涼子はふぅと息を吐く。

涼子は櫻井に淡い想いを抱いている。だが、何も進展はない。気持ちを伝えたいと思う反面、身体を売ってお給料を得ていることが、涼子を押しとどめていた。しかも、櫻井は執事で、涼子が誰に抱かれているかを確実に把握している。

好きな女が自分以外の男に抱かれるとか、普通は嫌よね…

涼子だって、櫻井が他の女を抱いていたら嫉妬する、と思う。それが同じメイドであっても。

抱くよね…たぶん

涼子は櫻井に面接を受けた。櫻井は、初対面の涼子を愛撫した…最後までは、しなかったけれど。つまりは、新しいメイド候補が来たら、その子に同じことをするのだろう。

切ないだけの好きって、あるんだなぁ…

櫻井が結婚している気配はない。けれど、きっとこの恋は実らない、と涼子は漠然と感じていた。


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