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3分間のナイトトリップ
第2章 美味しいキノコを召し上がれ

「ねぇねぇ、ちょっと来て!変なものがあるわよ!!」
会社の同僚であり、一番の親友でもあるマキが、庭で年甲斐もなくはしゃいだ声を上げる。
「何よ、もう」
台所用品の整理をしていたエミは、作業を邪魔されて、少しばかり苛立ちながら腰を上げた。
履き物が無いので、庭に通じる掃き出し窓から、身を乗り出す。
庭と言っても猫の額ほどの小さな庭で、都会の家らしく、周囲を家々に囲まれて日当たりも悪い。
庭を囲む左右と向かいの家は、どこもみな家の裏手にあたるので、窓も少なく、人目につかないのは良い点でもあるのだが。
この家に引っ越して1ヶ月、家のなかを整理するのが精いっぱいで、庭まで気にする余裕はなかった。
一人暮らしで会社に勤めながらでは、なかなか片付けが捗らないことを会社で愚痴ったら、マキが週末に新居を見がてら手伝いに来てくれたのだ。
そして、虫が苦手なエミの代わりに、草むしりを買って出てくれた。
「コレ!ちょっと、靴履いて来てみ!!」
きれいになった庭の一角を指しながら、マキがまた、大声で言う。
なんだか顔がニヤけて、嬉しそうだ。
「虫とかじゃないでしょうね」
エミは警戒して、悪友を軽く睨む。
マキは陽気で明るい性格で、時々子供のようなイタズラを仕掛けることがあるのだ。
「そんなんじゃないって、ホント、面白いからコレ!」
早く見ろと言ってきかないので、仕方なく玄関から靴を持って来て庭に降りる。
マキが指さす、アジサイらしき木の根元辺りを覗き込んだ。
「嫌っ!なにコレ!!」
そのモノを見て仰天する。
「ねぇ!コレ、ちんちんそっくりじゃない!?」
マキがお腹を抱えて笑い出す。
庭の隅に生えていたのは、ペニスそっくりの形をした小さなキノコだった。

