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愛のシンフォニー
第4章 それぞれの愛
その日も徳造は昼のバイトが終わると一度アパートに戻った。
美樹は普通の、しかし徳造の好みの普段着で出迎えてくれた。
「ただいま・・ど、どうしたの?」
徳造は普段着の美樹の可愛らしさに少し戸惑う。
正直、今度はどんなコスプレでくるのかと思っていたので少しホッとした。
こんな普段着の可愛らしさを美樹に求めていたのだと実感していた。
「ううん、ちょっとイメージチェンジ。とくちゃんはこういうのも好きかなと思って」
美樹は少し顔を赤らめる。実は朝の大家のババアを見た時にこのエロババアとスゴく汚ならしい存在に思えた。でも、エッチなコスプレをしたりあの手この手でその気のない徳造を無理に誘惑しようとしている自分もババアのように汚ならしい女に思えてきたのだった。
「今度デートする時にどこへ行きたい?」
と徳造が切り出した。
「う~ん、行きたいとこいっぱいだよ。でもね、とくちゃんと一緒ならどこでもいいかな」
と美樹は嬉しそうに笑う。
遊園地、映画館、美術館や博物館、イベントやライブ・・といろいろあって目移りしてしまう。
「初めてのデートだから想い出に残るところにしようか」
「想い出に残るところ?」
「うん。これからずっと一緒にいてもふたりの想い出になるようなところ。ケンカしてもすれ違っても、そこへ行けば想い出に浸って仲直りできるようなところ」
「それ、いいね。写真もいっぱい撮ろうね」
と美樹ははしゃぐ。徳造はそんな美樹をとても愛しく思っていた。
ーこの時あたしは思ったんだ。ずっととくちゃんと一緒にいたい。でも、それは叶わないことなんだ。あたしはいつまでとくちゃんと一緒にいられるのかな?だから最高の想い出にしたいんだ。例えば死ぬ瞬間に浸っていられるような幸せな想い出に・・ー
「それじゃあ、行ってきます」
夕食が終わると徳造は演奏に出かけて行った。
今日はバーでの演奏である。
「行ってらっしゃ~い。浮気すんなよ~」
美樹ははしゃいで手を振って徳造が見えなくなるまで見送っていた。
ふと視線に気がついて振り向くと隣の部屋のなぎさが煙草を吸っていた。これから風俗の仕事に出かけるようだ。
「アンタさあ、もうあの徳造という男とはヤッたの?」
なぎさが煙草を吹かせながら訊いてきた。美樹にも煙草を勧めてきたのでこちらは丁重に断った。
美樹は普通の、しかし徳造の好みの普段着で出迎えてくれた。
「ただいま・・ど、どうしたの?」
徳造は普段着の美樹の可愛らしさに少し戸惑う。
正直、今度はどんなコスプレでくるのかと思っていたので少しホッとした。
こんな普段着の可愛らしさを美樹に求めていたのだと実感していた。
「ううん、ちょっとイメージチェンジ。とくちゃんはこういうのも好きかなと思って」
美樹は少し顔を赤らめる。実は朝の大家のババアを見た時にこのエロババアとスゴく汚ならしい存在に思えた。でも、エッチなコスプレをしたりあの手この手でその気のない徳造を無理に誘惑しようとしている自分もババアのように汚ならしい女に思えてきたのだった。
「今度デートする時にどこへ行きたい?」
と徳造が切り出した。
「う~ん、行きたいとこいっぱいだよ。でもね、とくちゃんと一緒ならどこでもいいかな」
と美樹は嬉しそうに笑う。
遊園地、映画館、美術館や博物館、イベントやライブ・・といろいろあって目移りしてしまう。
「初めてのデートだから想い出に残るところにしようか」
「想い出に残るところ?」
「うん。これからずっと一緒にいてもふたりの想い出になるようなところ。ケンカしてもすれ違っても、そこへ行けば想い出に浸って仲直りできるようなところ」
「それ、いいね。写真もいっぱい撮ろうね」
と美樹ははしゃぐ。徳造はそんな美樹をとても愛しく思っていた。
ーこの時あたしは思ったんだ。ずっととくちゃんと一緒にいたい。でも、それは叶わないことなんだ。あたしはいつまでとくちゃんと一緒にいられるのかな?だから最高の想い出にしたいんだ。例えば死ぬ瞬間に浸っていられるような幸せな想い出に・・ー
「それじゃあ、行ってきます」
夕食が終わると徳造は演奏に出かけて行った。
今日はバーでの演奏である。
「行ってらっしゃ~い。浮気すんなよ~」
美樹ははしゃいで手を振って徳造が見えなくなるまで見送っていた。
ふと視線に気がついて振り向くと隣の部屋のなぎさが煙草を吸っていた。これから風俗の仕事に出かけるようだ。
「アンタさあ、もうあの徳造という男とはヤッたの?」
なぎさが煙草を吹かせながら訊いてきた。美樹にも煙草を勧めてきたのでこちらは丁重に断った。