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愛しの愛梨ちゃん
第3章 小さな嘘
「隆ちゃん 物理得意よねー ここ教えてよー」

放課後 俺の無視に懲りずに

また愛梨が近づいてきた。

愛梨が隆二の腕に掴まるから柔らかな胸が

ふんわり当たる。

木下と飯田は気を利かせたつもりか

そそくさと帰った。


彼女もほしいと思うが

仲のいい男友達も去っていかれると

話し相手もいなくなって困る。

「ごめん、他のやつに聞いて。」

軽く愛梨の腕を解いた。

「ねぇ私何かした?」

「とりあえずあんまり俺に話しかけないで。

気づいてるだろ?愛梨目当ての男も多いし

わざわざ俺に構うことないだろ?」

「何それ…隆ちゃんは私の事嫌いなの?」


「おっ…俺は…」

「…?」

「俺は貧乳好きだ。」

するとクラス内でモデル体型の

織田(貧乳と男子で呼ばれる奴)

が偶然通って目があった。

織田は軽蔑したような冷たい目で俺を睨んだ。

…ぁぁー、もう、弁解するのもめんどくさい。

愛梨…

頼むからそんなに近寄って来るなよ

シャツから谷間見えすぎなんだよ。

前より可愛く見えんだよ。

その上目遣いされるといてもたっても居られない。

いつか押し倒してしまいそう。

俺のたがが外れる前に…

愛梨は隆二のシャツの袖を握ったが

ゆっくり離した。

「…っ…わかった。」

愛梨は教室を去った。

そう これでよかったんだよ。

うつむいて帰った愛梨を追いかける必要もないんだ。





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