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愛しの愛梨ちゃん
第1章 付きまとわれるきっかけ
飯島と木村と校門出たとき、隆二は忘れ物に気がついた。

一人だけ教室へ戻り教科書を鞄にしまう。

静まりかえった教室。

階段を降りる時、女子の声が聞こえた。

「あんた、胸がでかいだけで何にもないんだから。」

「人の彼氏取るなよな。」

げっ…同級生の女に囲まれてるじゃん。松嶋。

「…。」

今 俺が女子トイレ行っても変態扱いだろうしな。

何分かして同級生が出てきた。

俺は身を隠した。

トイレから出てきた愛梨は髪も肩も水浸しだった。

「さっ電話榊君っ…」

手で顔を隠した

こんなとこ見られたくないかな…


「あっ…待っててジャージ取ってくるから。」

隆二は自分のジャージを愛梨にかけて

一緒に帰った。

木村達には先に帰るようにメールした。

どう触れていいかわからないまま

愛梨を駅の改札まで送った。

もてるって嬉しいことばかりじゃないと

ポツリと言った。

今日みたいに彼女もちの男子が寄ってくる

私は好意すらもってないのにとポツリと呟いた。

あとは…ほとんど無言だったな。

「ありがとう。」

愛梨はひきつった顔で改札へ入った。
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