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11時間空の旅
第7章 ☆あと5時間
(あれ?なに?)
少しうとうととしたけど、なんだかおかしいな。
毛布の中でなにか動いてる。
(え?なに?)
彼のいる左側を振り向くと、彼は前を向いて映画を見てる。
でも、彼の右手は私の毛布の中。
(確かにさっきのキスは気持ちよかったけど・・・)
(どうしよう)
とっさに毛布の中の彼の手を探す。
止めてほしくて探したら私のお腹のあたりで指が触れあった。
その瞬間に彼の両腕に抱き締められてしまった。
後ろからすっぽり彼に包まれてなんだかちょっとうれしかった。
(彼の心臓もドクンドクンっていってる)
彼の両手は私のお腹の前で組まれて、私の体はぴったりと密着。
こんな状況だけど、
(なんか、安心する)
しばらく抱かれてた。
彼の頭が私の肩のあたりでふわふわ動いてる。
ちょっといい香りがする。
(あっ)
耳たぶを彼の舌がなぞる。
(だめなのにぃ)
腰ががくって震える。
彼の舌が耳に入ってきた。
(ぞくぞくしちゃうよぉ)
「こういうの好き??」
って吐息交じりのやさしい声。
(うんうん、好きだけど)
でもそんなこと言えるわけない。
ブルンブルンと頭を横に振った。
でも、さっきのキスの興奮もさめてないし、耳にふれる彼の唇と舌。
振り向いた私の眼はもうとろんとしていたはず。
こういうの好きです。って言ってるのと同じ。
振り向いた私をくるっと向きを変えて向かい合った私たち。
(あぁん、どうしよう。。。)
彼は私の眼を深く見つめてから、
ゆっくりキスをしてくれた。
唇が離れて
彼は自分の唇を指差した。
そこを見つめる私。
す
き
(え?すき?って言ってるの?)
彼の指が私の唇に届いた。
ニコっと笑って、首をかしげてる彼。
(え?)
彼の視線が熱い。
もう一度彼が首をかしげてる。