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第54章 本気のプロポーズ！

すれ違う社員達は、

口々に専務に挨拶をしていた。

そして、口々に彩香の噂話を

している感じだった。

真は、本当に何とかしないと

彩香が壊れてしまうんじゃないかと

心配でならなかった。

彩香は、無表情で前を向いていた。

彩香は、きっと心では

泣いているんじゃないかと思うと、

居ても立ってもいられない

気持ちになるのだった。

今すぐ抱き締めてやりたいと

思ってしまうけど、そんなことすれば

余計に彩香を苦しめることは

分かりきったことで、

何もできない自分が情けなくて

情けなくて、仕方なかった。

早く何とかしないといけないと、

改めて思う真だった。

手を握ってやることもできない事に

悔しくてならなかった。

玄関に車が待っていた。

車に乗り込み、二人は並んで座った。