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第54章 本気のプロポーズ！

彩香は、唇を真一文字にし、

前を向いていた。

真は、そっとだけど、力強く

彩香の、少し振るえてる手を

握りしめた。

彩香は、真の顔を見て、

寂しげに微笑んでいた。

「彩香･･･」

「何も言わないで、大丈夫だから」

真は、何も言えなくなった。

ただ手を握り、手の甲を

擦ってやるくらいしかできなかった。

「真、先に桐生総合病院によってくれる？」

「どうした？どこか具合悪いのか？」

「違うの。聖夜さんにお願いしてる事があって

先に済ませたいの。」

「何お願いしたの？」

「うん。あの」チラッと運転手を見て

「後で話すね。」

真は、運転手に聞かれるの嫌なんだと

思ったから、

「わかった。」

運転手に、「桐生総合病院に行ってくれ。

そこで下ろしてくれたら、帰って良いから、

鰻重もらいに行って帰ってくれ。」