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第56章 記者会見

彩香は、涙でぐしゃぐしゃな顔で

「もんでゃいありゃましぇん

(問題ありません)」と、

真に抱きついて応えた。

「愛してる。彩香の全てが大好きだよ。」

真は、優しい声で、何度も何度も

彩香に伝えた。

彩香は、何度も何度も、

ただ「うん。うん。」って

返事をするのがやっとで、

泣いていたんだけど、

真が、「彩香、そろそろ一度

マンションに帰らないと

着替え持ってこなかったから、

こうして抱き締めていたいけど、

そろそろ時間が無くなってきた。」

その言葉で、彩香の涙は止まって

焦りだし、バタバタと帰り支度を始めた。

二人は、ホテルの部屋を出て

チェックアウトし、

タクシーに乗ってマンションに帰っていった。

着替えて、結局あまりに何も食べなかったから、

二人のお腹が同時に鳴り出した。

顔を見合わせて、大笑いした。