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第56章 記者会見

彩香は、懐かしそうに、遠くを見ていた。

「採用が決まり、こんな私に、

振り向いてくれるとは

考えてもいなかったから、

同じ会社で仕事ができるだけで

たまに顔が見れるだけで幸せでした。

一生恋愛できなくても、好きな人の

少しでも役に立てれば

それだけでいいと諦めてました。

好きでもない人とお付き合いするより

時々専務の姿を見れるだけで幸せ

だと思おうとしていたんです。

でも、一緒に暮らすようになって

どんどん気持ちが膨らんで

でも、自信が持てなくて

凄く悩みました。でも、専務が

根気よく、私の心の氷を溶かしてくれました。

今では、凄く愛されてるなぁって思います。」

そこまで話して、話が脱線していることに気づき

「あっ、ごめんなさい。

専務のどこが好きかですよね？」