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第61章 遼太の苦悩

遼太は、彩香が使っていた部屋で、

ぼ～っと立ち尽くしていた。

涙が止めどなく溢れていたのだけど、

遼太本人は、泣いていることにも

気づかないほど呆然としていた。

「わぁーーーーーーーーーー！！！！！」

大きな声で叫んだ。

「どうしてなんだ？どうしてアイツの所に

戻ったんだ？どうして俺じゃダメなんだよ？」

彩香が寝ていたベッドに突っ伏して

泣き叫んでいた。

彩香を連れて、両親も真の入院する病院に行った。

今は、お手伝いさんはいるけれど、

親の目がないから、おもいっきり

心のままに、叫んでいた。

「彩香、何でだ？何で俺じゃダメなんだよ？

こんなに愛しているのに、

初めて会った時からだぞ。

物心ついた時には、彩香を好きになっていた。

彩香だけを愛してきたんだ。

俺には、彩香だけだった。」