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第30章 彩香が、拉致られた？

非常口にやって来た。

警備員が立っていた。

警備員の横を通るとき、

軽自動車が入ってくるのが見えた。

警備員のポケットにスマホを入れた。

警備員が顔を見たから、

小さい声で

「お願い、専務に渡して、

LINEって言って下さい。お願い！」

警備員は、何かただ事じゃない雰囲気を

感じたみたいで、

「分かりました。」ってこたえてくれた。

そこに軽自動車が止まった。

林が顔を出して、警備員に挨拶した。

「よぉ！」

警備員「林課長じゃないですか？

何か用事ですか？今は、もう入れませんよ。」

林「分かってるよ。恋人を迎えに来たんだ。」

警備員「そうですか。」

林「アーチャン乗って早く！」

助手席の扉を中から開けた。

彩香「お願いします。」

警備員にもう一度言った。

警備員「それでは、お気をつけて、」