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第32章 彩香、悲しみの中へ

山名弁護士「勿論分かっている。

でも、今の状態で真君に

おんぶにだっこでは、

彩香ちゃんが気を使うと思ってね

働かなくても生活できるだけの

収入があることを、心のすみに思っておけば

気持ちが軽くなるかと思っただけだよ。

勿論、彩香ちゃんは、真君に任せます。

でも、私たちも娘のように思っているのを

忘れないで下さい。手伝える事があれば

させて何なりと言ってください。

記憶が戻れば問題はないのだろうけど、

戻らずに退院ということになれば、

真君のマンションに

帰るのはどうかと思うよ。

彩香ちゃんは、私の家で預かりたいと

思っています。だから、彩香ちゃんは、

アパートなくなったけど、

我が家に帰ってくれば良いんだから

心配しなくていいからね？」

彩香「おじ様、ありがとうございます。

でも、遼太と同じ家には住めません。

ごめんなさい。」