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第35章 さようなら真

「そんな事、言えないよ。言えないよ。

真は、助けに来てくれたじゃない。

彩香が、強姦される前に助けてくれた！

もう少し遅かったらって考えただけで

恐ろしいよ。彩香は、もし、強姦されてたら

今ここにはいない。生きていなかったと思う。

真に会わずに命を絶っていた。

生きていられるのは、

真が、助けに来てくれたからだよ。

お礼を言っても、罵ったりしないよ。」

「ありがとう。彩香。

彩香は、優しいな？最後にハグしてもいい？」

「うん」

真は、彩香を抱き締めた。一瞬だったけど

心を込めて抱き締めた。

「彩香、ありがとう。ここの鍵持っていくんだよ。

いつでも帰っておいで

必要な物があるのなら、持っていきなさい。

いつでも取りに来れば良いからね。

俺に会いたくなければ、

会社に行ってる時間に来れば良いからね」